忘れていませんか?知っておきたい還付申告のポイント

こんにちは。
FPファクトリー代表の小澤昭彦です。

還付申告とは所得税を払いすぎたときに返してもらうための手続きです。

還付対象でも、きちんと申告しなければ税金は戻ってきません。

還付申告には期限があるので忘れずに手続きしましょう。

~還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間有効です~

Q1 所得税等の還付申告はどのような場合にできますか。

 確定申告の必要がない方でも、次のいずれかに当てはまる方などで、源泉徴収された税金や予定納税をした税金が納め過ぎになっている場合には、還付を受けるための申告(還付申告)により税金が還付されます。

 なお、給与所得者や、公的年金等に係る雑所得がある方(年金所得者)で確定申告の必要がない方が還付申告をする場合は、その他の各種の所得も申告が必要です。

(1) 総合課税の配当所得や原稿料などがある方       

 年間の所得が一定額以下である場合

※ 一定額は、あなたの所得金額や源泉徴収された税金などにより異なります。

(2) 給与所得者

 雑損控除や医療費控除、セルフメディケーション税制による医療費控除の特例、寄附金控除、(特定増改築等)住宅借入金等特別控除(年末調整で控除を受けている場合を除く。)、政党等寄附金特別控除、認定NPO法人等寄附金特別控除、公益社団法人等寄附金特別控除、住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除、認定住宅等新築等特別税額控除などを受けられる場合

(3) 所得が公的年金等に係る雑所得のみの方

 生命保険料控除や地震保険料控除、雑損控除、医療費控除、セルフメディケーション税制による医療費控除の特例、寄附金控除などを受けられる場合

(4) 年の中途で退職した後就職しなかった方

 給与所得について年末調整を受けていない場合

(5) 退職所得がある方

次のいずれかに該当する場合

イ 退職所得を除く各種の所得の合計額から所得控除を差し引くと赤字になる

ロ 退職所得の支払を受けるときに「退職所得の受給に関する申告書」を提出しなかったため、 

 20.42%の税率で源泉徴収され、その所得税等の源泉徴収税額が退職所得について再計算した税額を超えている。

Q2 給与所得者等で還付申告をしていなかった場合、何年前まで遡って還付申告をすることができますか。

A 確定申告の必要がない方の還付申告は、還付申告をする年分の翌年1月1日から5年間行うことができます。したがって、これまでに申告をしていなかった場合、平成30年分については、令和5年12月31日まで申告することができます。

 同様に、令和4年分については、令和5年1月1日から令和9年12月31日まで申告することができます。

 なお、所得税の額から控除しきれなかった住宅借入金等特別控除額がある場合、翌年度分(令和5年度分)の個人住民税額からその控除しきれなかった金額を控除できる場合があります。

 この制度の適用を受けるためには、年末調整によりこの制度の適用を受けている方を除き、住宅借入金等特別控除を受けるための確定申告書を住所地等の所轄税務署に提出する必要がありますのでご注意ください。

                      ~以上国税庁タックスアンサー

気を付けたい2つのポイント

(ポイント1) セルフメディケーション税制による医療費控除の特例

 意外と忘れがちな医療費控除の特例です。(通常の医療費控除をされている方は特例の対象となりません。)

No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)

【セルフメディケーション税制】[令和4年4月1日現在法令等]

対象税目:所得税

 <概要>

 健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の取組を行っている方が、平成29年1月1日から令和8年12月31日までの間に、自己または自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために特定一般用医薬品等購入費を支払った場合には、一定の金額の所得控除(医療費控除の特例)を受けることができます。

 <特例内容>

セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、通常の医療費控除との選択適用となります。したがって、この特例の適用を受ける場合は、通常の医療費控除を併せて受けることはできません。

 また、これらのいずれかの適用を選択した後、更正の請求や修正申告によりこの選択を変更することはできません。

●対象者または対象物

 <適用を受けられる方>

 セルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に健康の保持増進および疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っている居住者が対象となります。具体的には、次の取組が、「一定の取組」に該当します。

1 健康保険組合、市区町村国保等が実施する健康診査<人間ドック各種健(検)診等>

2 市区町村が健康増進事業として行う健康診査<生活保護受給者等を対象とする健康診査>

3 予防接種<定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種>

4 勤務先で実施する定期健康診断<事業主検診>

5 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導

6 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

 なお、申告される方が「一定の取組」を行っていることが要件とされているため、申告される方が取組を行っていない場合は、控除を受けることはできません。

 <特定一般用医薬品等購入費の範囲>

 特定一般用医薬品等購入費とは、医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)等の購入費をいいます。セルフメディケーション税制の対象となる商品には、購入の際の領収書等にセルフメディケーション税制の対象商品である旨が表示されています。スイッチOTC医薬品等の具体的な品目一覧は、厚生労働省ホームページに掲載の「対象品目一覧」をご覧ください。

 一部の対象医薬品については、その医薬品のパッケージにセルフメディケーション税制の対象である旨を示す識別マークが掲載されています。

 <計算方法・計算式>

 セルフメディケーション税制による医療費控除額は、実際に支払った特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金などで補填される部分を除きます。)から12,000円を差し引いた金額(最高88,000円)です。なお、一定の取組(人間ドックなど)に要した費用は、セルフメディケーション税制による医療費控除の対象となりません。※以下省略

 <根拠法令等>

 所法73、120、所令262、措法41の17、措令26の27の2、措規19の10の2、平28厚生労働省告示第178号、第181号、平成29年改正法附則58、令和3年改正措法附 

(ポイント2) 退職後再就職をせずに、給与収入等が無い方

 退職年の翌年の確定申告で、3月までの給与や、退職金の源泉徴収税が還付されることがあります。

                              

う~ん

税金って給与から天引きされるから、
払いすぎていてもうっかり見落としてしまいそうですね。

そうですね。

還付申告についてはあまりなじみのない方も多いかもしれませんね。

この記事にないパターンでも払いすぎていた場合は還付対象になりますよ。

所得税のおおまかなしくみについて知っておくことは自分の権利を守るためにもとても大切なことです。
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