いよいよ始まった全員参加型の「確定拠出年金制度」iDeCo(その弐)

小澤昭彦

▼「確定拠出年金」は、公的年金に上乗せして給付を受ける私的年金 のひとつです。基礎年金、厚生年金保険と組み合わせることで、 より豊かな老後生活を実現することが可能となります。

▼ 確定拠出年金の仕組みは、掛金を定めて事業主や加入者が拠出し、 加入者自らが運用し、掛金とその運用益との合計額をもとに給付 額が決定されるというもので、事業主が実施する「企業型確定拠 出年金」と、個人で加入する「個人型確定拠出年金(iDeCo)」 があります。

▼確定拠出年金とは… 3つの税制優遇措置 iDeCo のメリット 掛金が全額所得控除されます 例えば、毎月2万円ずつ掛金を拠出した場合、税率20%とすると、年間4万8千円 (仮に35歳から60歳までの25年間掛け続けると総額120万円)の節税効果となります。

※専業主婦や育児・介護休暇などを取得していて年間を通じて所得がない方は、掛金を拠出しても所得控除が受けられません。 運用益も非課税で再投資されます 通常、金融商品の運用益には税金(源泉分離課税20.315%)がかかりますが、iDeCoの 運用益は非課税です。

※積立金には別途1.173%の特別法人税がかかりますが、現在まで課税が凍結されています。 受け取るときも税制優遇措置があります iDeCoの老齢給付金を一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取 る場合は「公的年金等控除」という大きな控除が受けられます。

「iDeCo」は個人型確定拠出年金 の愛称です。 個人型確定拠出年金の英語表記( individualtype Defined Contribution pension Plan) から親しみやすい響きの「イデコ」としました。 また、「i」には「私」という意味が込められて おり、自分で運用する年金の特徴が捉えられて います。

iDeCoの加入者は、これまで自営業者の方などに限られていましたが、平成29年1月からは、企業年金を 実施している企業にお勤めの方や公務員、専業主婦の方を含め、基本的にすべての方が加入できるように なります。加えて、転職したときなどの積立資産の持ち運び(ポータビリティ)も拡充し、より使いやす い仕組みになります。

以上厚生労働省ホームページより抜粋

★オザワからのアドバイス①

給与所得のある、公務員の方や実際に税金(所得税や住民税)を払っている方は、税制優遇措置の一つである、毎年の所得に対して「所得控除」のメリットを得ることができますが、所得があっても、税金がかからない(例えばパート収入が100万円以下、103万円以下というのは、国の税金である所得税のかからない上限で、100万円を超えると住民税はかかるため)方は、ここで書いてある「税制優遇措置」の最初の「掛金が全額所得控除されます」というメリットはありません。(税金が少なくなるというメリットですから、税金を払っていない方は該当しない)

それと、奥さんの年間27万3千円の掛け金をご主人が出してあげても、残念ながらご主人の所得控除はできないことになっています。(例えば奥様の国民年金等の社会保険料をご主人が負担した場合は、ご主人の社会保険料控除に適用可能ですが、iDeCoの場合は使えないのです。)

ただし、「運用益の非課税」と「受け取るときの税制優遇」は使えます。

★オザワからのアドバイス②

加入時や運用時には各種手数料がかかります。インターネット銀行は相対的に各種手数料は安く設定していますが、対人の窓口がないので、インターネットの操作が苦手な方は、対人窓口のある運営管理機関を選ぶのも一つの選択方法です。また口座管理料以外に、運用商品によっては購入手数料や信託報酬がかかり、口座管理料は安くとも、運用商品の運用で費用が大きくかかる場合もあり注意が必要です。

※運用管理機関一覧は下記のアドレスで参照できます。(2016年10月27日現在 202社)

(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/un-eikanri.html)

★オザワからのアドバイス③

NISAと違って、iDeCoは中途解約はできません。老後の生活資金の補てん(公的年金の不足額)が目的ですから、60歳まで無理のない「拠出額」の設定と計画が重要です。

 

★オザワからのアドバイス④(一番大切なこと)

運用管理機関によって、取り扱っている商品の数や特徴が違ってきます。手数料だけにとらわれずに、運用商品の範囲や特徴をよく考えて選ぶ必要があります。

また、取り扱い先は各人1か所(1口)しか選定できません。変更は可能ですが、預け資産の移動は面倒(すべて現金化する必要等)ですので慎重に選択する必要があります。

また、各運営管理機関も他の金融機関の状況を見ながら、手数料や取扱商品の見直しを変更してきているようですので、取り扱いが開始してもすぐには開始せずに十分に検討することが必要です。

 

▼個人型確定拠出年金セミナー開催中です!

mousikomi01-005