成年後見人制度

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平成24年1月15日
「成年後見人制度」とは、認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度(せいねんこうけんせいど)です。

◎成年後見制度の種類

成年後見人制度は,大きく分けると,法定後見制度(ほうていこうけんせいど)と任意後見制度(にんいこうけんせいど)の2つがあります。
また,法定後見制度は,「後見(こうけん)」「保佐(ほさ)」「補助(ほじょ)」の3つに分かれており,判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。
法定後見制度においては,家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が,本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をしたり,本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり,本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって,本人を保護・支援します。

◇法定後見人制度の概要◇

後見 補佐 補助
対象となる方 判断能力が欠けているのが通常の状態の方 判断能力が著しく不十分な方 判断能力が不十分な方
申立てをすることができる人 本人,配偶者,四親等内の親族,検察官など
市町村長(注1)
成年後見人等

(成年後見人、保佐、補助人)の同意が必要な行為

民法13条1項

所定の行為(注2)(注3)(注4)

申立ての範囲内で家庭裁判所が「審判」で定める「特定の法律行為」(民法13条1項所定の行為の一部)(注1)(注2)(注4)
取消しが可能な行為 日常生活に関する行為以外の行為 同上(注2)(注3)(注4) 同上(注2)(注4)
成年後見人等に与えられる代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注1) 同左(注1)

(注1) 本人以外の者の請求により,保佐人に代理権を与える審判をする場合,本人の同意が必要になります。補助開始の審判や補助人に同意権・代理権を与える審判をする場合も同じです。
(注2) 民法13条1項では,借金,訴訟行為,相続の承認・放棄,新築・改築・増築などの行為が挙げられています。
(注3) 家庭裁判所の審判により,民法13条1項所定の行為以外についても,同意権・取消権の範囲を広げることができます。
(注4) 日常生活に関する行為は除かれます。

◎成年後見人にはだれがなるのか?

成年後見人等には,本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情に応じて,家庭裁判所が選任することになります。本人の親族以外にも,法律・福祉の専門家その他の第三者や,福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合があります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。また,成年後見人等を監督する成年後見監督人などが選ばれることもあります。

◎成年後見制度の具体的な手続
1  法定後見制度(後見・保佐・補助)の利用
法定後見制度を利用するには,本人の住所地の家庭裁判所(※1)に後見開始の審判等を申し立てる必要があります。手続の詳細については,申立てをされる家庭裁判所に問い合わせてください(※2)。
※ 1 本人の住所地の家庭裁判所については,裁判所のホームページに掲載されている「各地の裁判所」をご覧ください。
※ 2 後見開始の審判の申立て等に関する具体的な手続については,裁判所のホームページに掲載されている「裁判手続の案内:家事事件(かじじけん)」中の「第6 代表的な家事審判手続」の1から4までをご覧ください。
2  任意後見制度の利用
任意後見制度を利用するには,原則として,公証役場(こうしょうやくば)に出かけて任意後見契約を結ぶ必要がありますので,手続の詳細については,お近くの公証役場(※)までお問い合わせください。
※  近くの公証役場(こうしょうやくば)については,日本公証人連合会のホームページに掲載されている「全国公証役場所在地等一覧表」をご覧ください。

◎成年後見制度の費用

1 法定後見開始の審判の申立てに必要な費用について

後見 保佐 補助
申立手数料(収入印紙) 800円 800円(注5) 800円(注6)
登記手数料(収入印紙) 2,600円 2,600円 2,600円
その他 連絡用の郵便切手(注7),鑑定料(注8)

※平成23年4月1日から成年後見登記に係る登記手数料額及び証明書手数料額が引き下げられました。
(注5) 保佐人に代理権を付与する審判又は保佐人の同意を得ることを要する行為を追加する審判の申立てをするには,申立てごとに別途,収入印紙800円が必要になります。
(注6) 補助開始の審判をするには,補助人に同意権又は代理権を付与する審判を同時にしなければなりませんが,これらの申立てそれぞれにつき収入印紙800円が必要になります。
(注7) 申立てをされる家庭裁判所(かていさいばんしょ)にご確認ください。 (注8) 後見と保佐では,必要なときには,本人の判断能力の程度を医学的に十分確認するために,医師による鑑定(かんてい)を行いますので,鑑定料が必要になります。鑑定料は個々の事案によって異なりますが,ほとんどの場合,10万円以下となっています。
(注9) 申立てをするには,戸籍謄本,登記事項証明書,診断書などの書類が必要です。これらを入手するための費用も別途かかります。 (注10) 資力に乏しい方については,日本司法支援センター(愛称「法テラス」)が行う民事法律扶助による援助(申立代理人費用の立替えなど)を受けることができる場合があります。また法定後見制度を利用する際に必要な経費を助成している市町村もあります。詳しくは各市町村の窓口へお問い合わせください。

2 任意後見人制度の作成に必要な費用

公正証書作成の基本手数料 11,000円
登記嘱託手数料 1,400円
登記所に納付する印紙代 2,600円
その他 本人らに交付する正本等の証書代,登記嘱託書郵送用の切手代など

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