独立系FPに無料相談は有り得るのか?

(私がFPファクトリーを創った訳)
私が独立系FPを始めて今年で29年目を迎えます。独立系FP業務を生業としてこれから夢を抱いて資格取得に情熱を燃やしている方には少し厳しい話になるかもしれませんが、お許しください。

独立FPとしての理念は、お客様の望んでおられる生活環境に到達するためのプロセスを提供することに有ります。それは将来の家庭経済の指標となる「生活設計」から始まり、その問題点や解決策に役立つ情報や考え方をアドバイスするものと考えていて、私自身、その理念は創業時から今現在も変わっていません。ただし、一般のご家庭や個人の方が10年も20年も先の将来設計を20ページ以上にも及ぶ「○○家のライフプラン」という計画書を手に入れる為に、5万円以上のプラン料を出してまでの依頼は、現在も創業当時も稀にしかないのが実態です。もし新しい世代の感性にFP相談(プラン作成)が填ってその需要が増加したとしても、独立FPが多くの告知宣伝費を使って集客する「対費用効果」は収益を生み出すまでには至らないのも事実です。「それでは、貴方はどうして今まで企業に属さない独立FPとして生計を立ててきたのか?」という矛盾を持たれると思います。私が今まで「独立FP」として継続できた大きな要素は2つ有ると思います。1つは「FP業務が創世期」であったことと、時代のニーズに併せて主となる業務を移行させてきたことです。今現在、大成功した「独立FP」でもない私がお話しするのも変な話ですが、FP創業期であったことで「FP資格講座」の運営や、講師の業務のライバルが少なかったことと、物珍しさから著名な先生方に、業務や資金サポートの援助をしていただいたことなどがあります。また私自身も「相談料」を負担していただける中立的な組織(共済組合や労働組合、自治体の外郭団体など)を介しての「個人の相談業務」を開拓してきました。テレビやラジオ出演等の幸運にも恵まれました。
ただ、何度も繰り返しになりますが「一般の方々」が生活に関わるお金の悩みや相談を、一時的に多額の相談料、プラン料を支払ってまで独立FPに依頼されるのは、「マイホーム購入の資金計画」(当然将来の教育費やセカンドライフを踏まえた上での計画)と「遺族保障」や「医療費補填」に対応する「生命保険・損害保険の相談」と退職を間近に控えた「老後の資金計画」の三つのライフステージしかありません。
そのために、一般の給与所得者の方がその時期に「安心」してFP相談ができるプラットホームに繋がる線路を引いていくことが必要と考えて「FPファクトリー」という独立FPの共同事務所を創りました。
さらに、今すぐで無くとも必要な時に、独立FPに生活設計相談をしたいと考えておられる方々の会員組織として「ライフwithラン倶楽部を」創り、会員の方が必要な時にご相談ができる体制を考えました。そのため無理なく線路を継続していただけるよう、少額の年会費に設定しています。
「FPファクトリー」は独立FPの基本理念に賛同したメンバーで構成されています。
基本は、お客様の要望が無い限り、金融商品、保険、不動産等の紹介をしないという不文律があり、本来の業務である相談、プラン作成に無償はあり得ないのです。なぜなら法律的にその職務が保護されている士業(弁護士や税理士など)の方や、商品の手数料などが入る形態の「独立系?FP」と称しておられる方のように更に収益の上がる受け皿を持たないからです。ただ、そういったコミッションが発生する業態でFP業務をされている方々の中にも、お客様に出来るだけ中立な形でのアドバイス、商品紹介をされているFPもいらっしゃる方も多くいますが、私どもFPファクトリーのメンバーは、会員の方々に対しては有料の「相談業務」「プラン作成業務」に徹したいと考えています。

小澤昭彦

コメント